長い年月をかけて現代まで大切に受け継がれてきたうつわですがフランスからの旅の途中で怪我をしてしまいました。そんなうつわを、日本の伝統技法「金継ぎ」で蘇らせまた大切にしてくださる方にお譲りしたいと思っております。こちらはサルグミンヌ窯のパニエプレートです。デザート皿や取り分け皿としてお使いいただくのに丁度良いサイズ感です。裏表に入ったひびを、金継ぎで修繕いたしました。表面と裏面のひびは同じ場所にあるものの形は違い金継ぎを施すことによってその違いが引き立ちそれぞれ魅力的なものとなりました。縁のレース状の編み目の陰影が大変美しいので主張しすぎないよう、できるだけ細い線を描くことにこだわりました。現代では、合成樹脂と合成塗料を使用した「簡易金継ぎ」や「現代風金継ぎ」などと呼ばれる技法がありますが、鉛が微量に含まれているため安全性が低く口に触れる食器に使う修繕技法としてはあまりおすすめできません。こちらの金継ぎは、本漆・本金・自然素材のみを使用し口に触れても安全な伝統的技法「本漆金継ぎ」で修繕しているため、安心してお使いいただけます。長い年月大切に受け継がれてきたうつわです。手に取るたび、長旅で刻まれた様々な表情を見せてくれるその子に、自分がずっと大切にしてきたもののような愛着が生まれます。size：φ20.3cm《 金継ぎのお取り扱いにつきまして 》◾️漬け置き洗いは避けてください。◾️クレンザーなどの粗い研磨剤の入った洗剤の使用は避け、ご家庭用の中性洗剤で優しく洗ってください。◾️電子レンジ、食洗機のご使用は避けてください。◾️冷蔵庫などの、湿度の低い極度に乾燥した空間は避けてください。◾️修繕した箇所は、破損する前よりは強度が弱い状態です。力を加えすぎないようお気をつけください。《 アンティーク品へのご理解につきまして 》◾️古いお品です。これから長く使っていくうえで支障がありそうな箇所のみ修繕しております。細かな欠けや傷、染みなどはそのまま残してあります。それを含めて、アンティークの良さ・長い旅を経て得た深みだとご理解いただけましたら幸いです。